||||| 新渡戸稲造『武士道』第4章:勇 |||

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勇・敢為堅忍の精神

正義は、勇しき〈決心〉をもって相成る。

 「第4章 勇」は冒頭、//勇気は、義のために行なわれるのでなければ、徳の中に数えられるにほとんど値しない// とある。「勇=勇気」かどうかは本章読後にも疑問は残る。明確なことは、勇は義とともにある、ということだ。
 (小児が)//何かの痛みによって泣けば、母は子供を叱って「これしきの痛みで泣くとは何という臆病者です! 戦場で汝の腕が斬り取られたらばどうしますか? 切腹を命ぜられた時はどうする?」と励ました。//
 「勇」の章は、子どもの教育・しつけの記述が多い。幼少期から鍛錬が必要だったのだろう。たとえば、//幼少の児童に用を命じて全然未知の人に遣わし、或いは厳寒といえども日出前に起き、朝食前素足にて師の家に通って素読(そどく)の稽古に出席せしめた。// とある。ほかにも、超スパルタ方式が列挙されている。
 現代の子育てに、まったく参考にならない。封建制所以だろうか。//このやり方は、人の心の優しき情緒をば蕾のうちに摘み取る野蛮の方法であるまいかとの疑問を、抱かしめるであろうか。我々は次章において、勇気について武士道のもつ他の諸観念を考察しよう。// と章末尾にある。

勇は優から;「勇気」考

2019.11.18記す

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