||||| 新渡戸稲造『武士道』第5章:仁 |||

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仁・惻隠の心

〈仁〉は〈やさしさ〉に通ずる

 〈仁〉は〈やさしさ〉に等しい。〈義・勇〉これは両輪となり、武人の徳とされている。第5章は「仁」。
 「仁」は武人にではなく、人としてあるいは「王者の徳」として位置づけられている。「高貴なる精神」であり、//愛、寛容、愛情、同情、憐憫(れんびん)//と説明される。「仁」はそれを高めることで「勇」に近づくという。
 〈勇気をもつ〉〈勇気をもらった〉のフレーズを耳にするたび、私は、勇気はもつものでない。もつことのできるのは「やさしい気持ち」と考えている。意を得たり! 新渡戸稲造の『武士道』でも明らかになった。

(参考)勇は優から ──「勇気」考 ──

//慈愛は美であり、しかも希有ではない。「最も剛毅なる者は最も柔和なる者であり、愛ある者は勇敢なるものである」//
//仁は柔和なる徳であって、母のごとくである。真直なる道義と厳格なる正義とが特に男性的であるとすれば、慈愛は女性的なる柔和さと説得性とをもつ。//

(参考)補遺:儒教の徳目〈智仁勇〉に対して

2021.5.23Rewrite
2019.11.18記す

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