||||| 愛7 育6 夢7 | 本を選んで読むガイド |||

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 将来〈おとな〉になる子どもにとって、本を信頼できる〈ともだち〉としておくことは、世界に羽ばたく最良の方法になるだろう。デジタル時代、AIに期待する未来に突き進む世だが、人間の個人・集団の叡智は電子機器で置き換えられるものでないと私は思う。幼少のときからの〈遊び〉が人間らしさを担保するだろう。遊びにプラスして〈本を伴侶〉とすることで最強となると信じる。

 以下、年齢(発達)に応じ、本を選んで読むガイドを示す。これらは参考であって必読ではない。何をどう読んでもかまわないと思うが、分量だけは確保されたい。その目安で 3区分×30点で示す。この分量は、少ない。

 小学生を含めて、子どもは同じ傾向の本を好んで読む。それが分量を増やすエネルギーになるのだが、結果、視野を狭くすることになる。子ども自身、自らまだ気づいていない〈自分〉を発見できるよう、思い切り異なる分野、傾向の違う本に接する機会があって欲しい。

 以下の選書群は、発行年について古い傾向がある。いわゆる古典優先のつもりはないけれど、選書という作業の欠陥だ。若い作家は、自らの読書体験をもつ。創作活動は読者に支えられている。ということで、選書群は更新されるべきものと思うが、気づけば更新するということで、ご容赦をいただきたい。

選書リストの前に……本を選ぶ本

夢7 ×30点 5歳~小2(または小4)

  1. *さんまいのおふだ
  2. 三ねんねたろう……大川悦生 / 渡辺三郎 //ポプラ社 1967年
    • もとは働き者だったが、あることから寝太郎になってしまった。ちょうの幼虫がさなぎになって動かなくなるように(ちょっとちがうか?) そして、さなぎから出てきた寝太郎。民話をヒントに創作されたお話。
  3. 11ぴきのねこ……馬場のぼる // こぐま社 1967年
    • おなかをへらしたぺこぺこねこたち11ぴき。ちからをあわせて、おおきなさかなをつかまえた。みんなにみせておどろかせよう、それまでは、ぜったいたべないぞ!と、ちかいをたてました。そして、まっくらなよるがやってきました。さて、よがあけて、さかなをみてみると……。
  4. あめがふるとき ちょうちょうは どこへ……ワイスガード / メイ・ゲアリック / 岡部うた子 //  金の星社 1974年
    • タイトルそのまま、あめふりのとき、蝶はどこにいるのでしょうね。蝶と遊ぶときは、あめがふらない天気の日。知らなかった世界に思いをはせる絵本。絵本ではありませんが、昼夜を対比させる本『昼と夜の自然』(リチャード・アダムズ 1980年)があります。
  5. ありとすいか……たむらしげる / 赤木かん子 // ポプラ社 2002年
    • ありは、幼児にとって身近なムシ代表のひとつ。いつも地面をたくさんで這っているから。そのありさんたちが、すいかにむらがるお話し。すいかの真っ赤が夏の暑さを伝えるとともに、美しい。
  6. *いのちのひろがり……中村桂子 / 松岡達英 // 福音館書店 2015年(たくさんのふしぎ2015年4月号)
    • わたしたち(人間)はいつ、この地球に生まれたのだろう。「あなたは」と著者は読者に語りかける。あなたはお母さんから生まれたのですね、と。それはお母さんと卵とお父さんの精子がいっしょになった生まれた、世界でたった一個の細胞です。と、月並みな お言葉。それは、38億年前までさかのぼる。著者の語る「いのち」は、著者・中村桂子の「あなた」へのラブレター。
  7. 大きいって どんなこと 副題「星から原子まで」……シミヨン・シミン / Herman and Nina Schneider // 福音館書店 1968年
    • 「大きい・小さい」と気軽につかってしまう言葉だけど、再認識しておきたい。巻末「だから あなたは ちょうど まんなかの 大きさなのだ。」で結ぶ。
  8. かにむかし……清水崑 / 木下順二 // 岩波書店 1959年
    • せっせと働くカニから柿を奪ったずるいサルをこらしめようと、クリ、ハチ、はぜぼう、石うすたちが力をあわせるよく知られたおはなし。正義に出会えるすっきりする昔話です。大型絵本版があってこちらをお勧めします。
  9. のらいぬ……谷内こうた / 蔵冨千鶴子 // 至光社 1978年
    • 表紙に、青い空、海、犬、麦わら帽子の子ども。これだけにしておこう。あとは、絵本をひらいてください。
  10. アンジュール ある犬の物語……ガブリエル・バンサン // BL出版 1986年
    • 字のない絵本。この本も開いてみてください。
  11. ピパルクとイルカたち……ジョン・ヒンメルマン / はねだせつこ // 岩崎書店 2003年
    • 氷に閉じこめられてしまったイルカたちを救った実話。イルカたちは、すむ穴が凍ってふさがってしまうと息ができなくなります。少女ピパルクは悲しくなって幼いイルカにうたいました。すると、イルカたちは少女のうた声に寄り添っていくのでした。
  12. ももたろう……梶山俊夫 / 松谷みよ子 // 講談社 1988年(おはなし絵本館)『ももたろう・こぶとり』のうち「ももたろう」について
    • おこしのものはなんですか。日本一のきびだんご。一つくだされ、おともします。一つはならん、はんぶんやる。── なぜ半分なのか? それはさておき、桃太郎の昔話で、きびだんごを1つではなく半分というのがおもしろい、から。
  13. ルラルさんのにわ……いとうひろし // ほるぷ出版 1990年 
    • どんなおにわでしょう。まいにちていれをしているので、きれいなしばふのおにわです。あらっ!そんなとこに、わにがねそべっていました。こわいわにがいいました。「おっちゃん、ねそべってみなよ」と。いわれたとおりねてみると、ちくちくちくときもちいい。

2021.3.17記す

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